INTERVIEW 06
素材メーカートップクラスの
カーボンゼロ化を目指して。
めっきの環境価値を社会に発信するための
「非化石証書」という選択。
素材メーカートップクラスの
カーボンゼロ化を目指して。
めっきの環境価値を社会に発信するための
「非化石証書」という選択。
株式会社 アジアストラテジックアカウントディレクター 取締役
横田 英敏 様


株式会社
業種:製造業
神奈川県平塚市の東豊田工業団地に本社を置く米国系企業の日本法人で、
金属等表面処理用化学薬品や関連機器装置の製造・輸出入
及び販売を行っています。
「脱炭素」をサステナブルな事業運営を行う上での重要課題とし、
環境面でさまざまな取り組みを行っている企業でもあります。
電力使用の多い企業として、めっきがこれからも社会に必要な存在であるために
環境配慮の製品をお客様へ届ける努力をされている製造業の一例として
今回、e-dash Carbon Offsetを通じて購入した非化石証書の活用について、
マクダーミッド・パフォーマンス・ソリューションズジャパン株式会社
取締役 横田氏にインタビューを行いました。
「脱炭素」について、どのような考えや課題をお持ちでしたか?
横田氏:弊社が取り扱うめっき加工という工程は、製品をめっき液に浸漬して、電気を流すことで行われます。この加工過程で電力を非常に多く使用するため、再生可能エネルギーを活用する必要があると考えていました。
また、私たちのお客様には自動車メーカーもいますが、今は自動車業界もサプライチェーンの中でいかにCO2を削減していくかが課題になっています。
弊社もできる限り協力して取り組んでいく必要があると考えています。
それらの課題に対して、すでに取り組んでいることはありますか?
横田氏:弊社が属するエレメント・ソリューションズのグループでは、アメリカ本社をはじめ世界各国でさまざまなビジネスを展開しており、SDGsの目標を定めています。
その中にはもちろん電力という要素があり、再生可能エネルギーの積極的な導入によって2020年の段階ではグループ全体で6%にしか満たなかった再生可能エネルギー比率を大幅に増加させています。
日本国内には研究施設しかありませんが、可能な限りCO2を出さないような体制にすることが重要だと考え、環境負荷の低い商品開発を通じた電力消費の削減と、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入を進めてきました。
今回、非化石証書を選択された背景を教えてください。
横田氏:弊社は日本には工場を持っていませんが、研究施設で数多くの試験機を使いめっき加工の実験を行っています。実験の過程で多くの電力を使うので、太陽光発電の導入の検討も進めていますが、一方で敷地面の制約もあり、使用電力を100%太陽光発電で賄うことは難しい状況にあります。加えて、自社の電力消費量自体を減らすにも限界がありますので、非化石証書を活用する選択をしました。
e-dashをお選びいただいた理由はどのようなところにありますか。

横田氏:他社サービスと比較し価格が安かったこともありますが、担当者の方が丁寧なことが決め手でした。また、カーボン・オフセットのサービスを利用する観点では、グローバルで見たときに三井物産のグループ会社というバックボーンの安心感や、安定的に非化石証書を購入できるという観点で魅力的です。
今後の貴社の「脱炭素」に向けた展望を教えてください。

横田氏:今後製品を販売する際は、品質やコストに加えてCO2排出量の削減についても言及が必要になってくると思います。私たちが提供するめっき薬品には、お客様の生産ラインの中で使う電力量を通常の約半分まで減らすことができる革新的な商品もあります。
お客様へ提案する際は、弊社の製品を通じたCO2の削減効果もなるべく明記するようにしています。
多少コストが上がっても、環境に良いものを選ぶ重要性をお客様に意識してもらいたい。私たちは、めっきがこれからも社会にとって必要な存在であり続けるために、環境にやさしい商品づくりで貢献を続けていきます。
また、今後は我々だけではなく、めっき業界全体で意識改革や存在価値の向上にも貢献していきたいと思っています。弊社のお客様は大手企業に加え、中小企業のお客様も多くいらっしゃいます。中小企業のお客様の中には、自社のみでの脱炭素への投資では難しいケースも想像され、その際にファイナンス面のサポートができれば理想的です。最終的には、バリューチェーンでのカーボンゼロ薬品づくりを目指したいですね。