
e-dash プロダクト開発部 プロダクトマネージャー 向出裕之
電力消費量とCO2排出量が「分単位」のリアルタイムで可視化できるーー。
2023年10月、「e-dash」にそんな新オプション機能が搭載されました。
その名も「e-dash real-time」。
これまで「e-dash」上で叶うのは月単位での可視化のみでしたが、より精緻なデータが取得可能になったことで、企業は省エネやCO2排出量削減に向けてより効果的な取り組みを実施できるようになります。
どのような思いでサービスを生み出したのか。
開発チームのリーダーを務めたe-dashの向出裕之に話を聞きました。
目次
──本機能はどのような背景から開発が始まったのですか。
「e-dash」は、電気やガスの請求書をクラウド上にアップロードすることで、月ごとのエネルギー使用量やコスト、CO2排出量の可視化ができるというサービスです。
一方、月単位だけではなくリアルタイムで可視化するサービスが必要だよね、という話はかねてから社内で持ち上がっていました。
というのも、省エネやCO2排出量削減に取り組むにあたっては、リアルタイムデータが非常に有効だからです。
たとえば、ある月の電力使用量が増えたとします。しかし、それだけでは、なぜ増えてしまったの原因が明確には分からず、改善に向けた方針が立てづらいケースが多い。
ところが、その月の何日、さらには何時何分の電力使用量が高くなっているのかまで辿れると、原因をピンポイントで突き止めることができます。そして、原因が明確になれば、対策を最短ルートで講じることができる。
「e-dash」は“可視化サービス”という印象が強いかもしれませんが、可視化はあくまでも途中経過で、お客様にとっても我々にとってもゴールは「削減」です。
「e-dash」としてお客様の削減をさらに後押しするために「e-dash real-time」の開発は欠かせないものでした。
──開発はどのような体制で行ったのですか。
実は私は2023年4月にe-dashにジョインし、入社してすぐに任されたのが「e-dash real-time」の開発でした。
当時は提携するパートナー企業が決まり、これから具体的な機能を作っていくというタイミング。まずは、私の方で要求仕様書や画面のイメージを作成し、それをもとにエンジニア、デザイナーと数ヶ月かけて内容を詰めていきました。
これまでプロダクトマネージャーとしてウェブサービスの開発には携わってきましたが、脱炭素領域は全くの素人で、「デマンド値」など、リアルタイム機能を開発する上で基本となる用語を学ぶところからのスタートでした。自分で調べたり、社内の方に教えてもらったりと、勉強勉強の日々でしたね。
──そんな苦労の末リリースした「e-dash real-time」ですが、具体的にどんな機能が搭載されているのですか。
「e-dash real-time」は、電力のメーター付近に専用のデバイスを設置することでご利用いただけます。
主な機能は4つあります。
まず、電力消費の分析にご活用いただける機能として、「ヒートマップ」と「グラフ表示」があります。
ヒートマップは、曜日や時間帯別の電力消費の傾向が視覚的にわかる機能です。一方、グラフ表示は、指定した期間において、日・時間・分単位の具体的な電力消費量を確認することができます。
ヒートマップで「この曜日のこの時間帯の電力消費量が多い」などと相対的な傾向を把握し、グラフ表示でその詳細を分析する。そんな風に組み合わせてご使用いただくことを想定しています。

残り2つの機能は、「30分デマンド値」と「デマンド監視」です。
30分デマンド値とは、30分間の平均使用電力のことを言います。また、1ヵ月の中で最大の30分デマンド値がその月の最大デマンド値となります。
実はこの30分デマンド値、電気料金と深い関係があるんですね。
電気の契約が高圧受電500kW未満の場合は、当月と過去11ヵ月分の最大デマンド値が電気の基本料金の計算に使われます。また、高圧受電500kW以上の場合は、最大デマンド値が契約電力を超えると、違約金が発生したり契約料金のアップに繋がったりしてしまいます。
したがって、電気料金を抑えるためには、デマンド値が上がらないように管理する必要があるんです。
そこで「e-dash real-time」には、30分デマンド値をリアルタイムで表示する機能(「30分デマンド値」)のほか、現在の30分の予測デマンド値を確認できる「デマンド監視」を搭載しました。デマンド値が契約電力を超える恐れのある場合は、メールでアラート通知を受け取ることもできます。

──電力消費量をリアルタイムで可視化するサービスは他社にもありますが、「e-dash real-time」ならではの特徴はありますか。
CO2排出量可視化クラウドサービス「e-dash」が提供する商品だからこそ、電力消費量だけではなく、CO2排出量も分単位で可視化できるようにしました。
ここは個人的な思いを込めた部分でもあります。
「e-dash」では月ごとのCO2排出量が分かりますが、「先月は何トンのCO2を排出した」と言われても正直実感は湧きにくいですよね。一方で、「この1分間で何グラムのCO2を排出した」と言われると、よりリアルに感じませんか。
分単位のCO2排出量が見えることで、ご利用者さんにご自身の業務と「2050年、カーボンニュートラル」との繋がりをより感じていただけたらと思っています。
サービス画面のデザインや操作性などのUI(ユーザーインターフェース)については、e-dashの全てのプロダクトに一貫することではありますが、とにかく「使いやすさ」にこだわりました。
専門知識がない方や、通常業務の合間に脱炭素業務をこなすお忙しい方でも、画面を開けば、どこを見て、どういう操作をすべきかが直感的に分かるように。
直接言葉にはしなくとも、エンジニアやデザイナーを含めた開発チーム全員が大前提として共有してきたことです。

──「e-dash real-time」をより良いサービスに成長させていくために今後考えていることはありますか。
コスト面でのハードルはありますが、工場の生産ラインやエアコンごとにデバイスを設置し、より精緻なデータを取得をしていただける可能性を探りたいと考えています。これが叶うと、製品単位で消費電力量やCO2排出量の可視化ができるようになります。
また、「e-dash real-time」と「e-dash」本体との情報連携なども進め、お客様のデータアップロード等の手間をさらに省くなど、使いやすさや機能性も向上させていきます。
──プロダクトマネージャーとして今後、「e-dash」をどう進化させていきたいですか。
CO2排出量の「可視化」にとどまらず、その先の「報告」や「削減」支援への需要がますます高まっています。そのため、「e-dash」のサービス全体で可視化から削減実行までのロードマップを継ぎ目なく支援できるよう、今後も機能の改善と開発を進めていきます。
専門人材がいなかったり、コストや時間が十分にかけられなかったりする中小の企業であっても、「e-dash」を使えば手間をかけず、適切に一定レベルの脱炭素への取り組みが叶ってしまう。決して簡単ではないですが、そういう世界を作っていきたいです。
企業情報
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業界
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事業の成長と脱炭素化を両方実現できるように。
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