
株式会社Circloop 中村周太 様
オフィスやコワーキングスペース向けに、繰り返し使える「リユーザブルカップ」のシェアリングサービスを展開する株式会社Circloop。
同社は、使い捨てカップをCircloopのリユーザブルカップに置き換えた際のCO2削減効果を数値で示すため、e-dashの「削減貢献量(※1)算定サービス」を利用しました。
削減効果を「見える化」したことで、どのような効果があったのでしょうか。
代表の中村周太さんにお話を伺いました。
※1:削減貢献量:従来使用されていた製品・サービスをよりGHG排出の少ない自社の製品やサービスで代替することで、他社や社会全体のGHG排出量削減への貢献度を数値で示す考え方。Scope 4とも呼ばれる。詳細はこちら
目次

e-dashのリフレッシュスペースの様子
━━ 御社が提供する、リユーザブル容器のシェアリングサービス「Circloop」とは、どのようなサービスですか。
中村周太様(以下、中村):オフィスやコワーキングスペースの休憩エリアでは、紙やプラスチックの使い捨てカップが使われていることが多くあります。当社は、こうした使い捨てカップの代わりとして、繰り返し使えるリユーザブルカップを導入するサービスを提供しています。
リユーザブルカップの配送から、使用済みカップの回収、洗浄は当社が担うため、お客様である企業や利用者に負担をかけることはありません。従来の「使い捨て容器を使う感覚」で、無理なくごみを削減していただける仕組みとなっています。カップ1個あたり約33gのCO2排出削減が可能です。(レジ袋1枚を利用しなかった場合の排出削減量と同等 ※2)
※2:3R 原単位の算出方法
━━ 事業を立ち上げた経緯を教えてください。
中村:2022年に、約10年勤めた企業を退職し、知人とともに独立して飲食店向けの新規事業を検討し始めました。当初は別のビジネスモデルを考えていたのですが、その準備の一環として飲食店にヒアリングを行う中で、コロナ禍の感染対策として使い捨て容器が大量に使用・廃棄されているという声を多く耳にし、強い衝撃を受けました。
調べていくうちに、欧州では一部の地域で飲食店に対し、リユーザブル容器を選択肢として提供することが義務づけられていることを知りました。「こうした動きはいずれ日本にも広がっていくだろう」とビジネスとしての可能性も感じ、リユーザブル容器にまつわる事業を構想し始めました。
「オフィス」における使い捨て容器に着目したのは、自らの経験がきっかけです。会社員時代にオフィスの休憩フロアなどで、紙コップや弁当のプラスチック容器がゴミ箱から溢れている光景をよく目にしたことを思い出し、現在の事業を思いつきました。
━━ 利用者の反応はいかがでしょう?

中村:利用者へのアンケートでは、3分の2の方に「環境への意識が変わった」と回答していただいています。
印象的なのは、アンケートの自由記述欄に「罪悪感」という言葉がよく出てくることです。「以前は紙やプラスチックのカップを当たり前に使っていたが、リユースの選択肢ができたことで、捨てることに罪悪感を覚えるようになった」というようなコメントをくださる方が多いです。また、「『環境に貢献できている』と、日々ちょっとした達成感を感じられている」などといったコメントもよく寄せられます。
こうしたことからも、当社のサービスは、単に「ごみを減らす」だけではなく、利用者の環境意識の向上や、「捨てなくていい」という心地よさ、といった価値も提供するものだと考えています。
━━「e-dash」の削減貢献量の算定支援サービスを利用した経緯を教えてください。
中村:お客様が「Circloop」の導入を検討される際、最も関心を持たれるのは「導入によってどの程度の環境効果が得られるのか」という点です。これまでは、お客様に「リユーザブルカップを利用した方が環境負荷が低い」ということをお伝えするために、世の中の一般的なデータを引用してきました。ただ、それらのデータは「Circloop」自体の環境効果を裏付けるものではなく、正確な価値を伝えられていないもどかしさを感じていました。
こうした矢先、「Circloop」をご利用いただいている外資系企業の日本法人のお客様から、「ESGの取り組みを本社に報告するため、リユーザブルカップ導入による効果を数字で示したい」というご要望をいただき、これをきっかけに環境効果の定量化に向けて本格的に動き出すことにしました。
リユーザブルカップの環境効果のなかでも、特に定量化しやすい指標がCO2の排出削減量だと考え、算定のお手伝いをしてくださる先を検討することに。
e-dashは元々「Circloop」の導入企業であり、「こうしたことができないか?」とご相談を持ちかけさせていただきました。
━━ サービスを利用しての感想を教えてください。
中村:算定にあたっては、e-dashのコンサルタントの方に必要なデータ等を的確にご指示いただいたおかげで、特に迷うこともなく、終始スムーズに進んだ印象です。
また、運搬車両の移動距離やカップの使用個数など、利用条件によってCO2削減量は変わってきますが、そうした変数については当社側で変更・入力できる形で結果をご納品いただけたのは非常に助かりました。これにより、お客様それぞれの利用条件の元、削減量を試算することができています。

━━ 削減貢献量を算定して、どのような効果がありましたか?
中村:自社サービスの削減貢献量が明確に可視化できたことで、より自信を持ってお客様へご説明できるようになり、説得力も格段に高まったと実感しています。
また、ご利用企業様には、IR活動において「リユーザブルカップによるCO2削減効果」を定量的な成果として報告・開示していただけるようになり、サービス価値も高まりました。
さらに、従業員などリユーザブルカップの利用者にとっても、リユーザブルカップの利用による環境への貢献度が数字として「見える化」されることは、環境意識を高めるきっかけになるのではないかと感じています。今後は、たとえば休憩エリアに「今月は○○kgのCO2を削減しました」と掲示するなど、削減量を定期的にお知らせする仕組みを導入し、利用者一人ひとりが脱炭素の取り組みに参加している実感を持てるよう工夫を重ねていきたいと思います。

Circloopのサービスサイトより。削減貢献量の算定後、訴求ポイントの一つに「使い捨て削減による環境への貢献を可視化」を打ち出しています。
━━ 企業の脱炭素への取り組みが広がるなかで、今後「Circloop」の需要もさらに高まっていきそうですね。
中村:まさにそう感じています。現時点では多くの企業がまず、電力など排出量の大きい分野の削減に注力している段階だと思います。しかし、今後取り組みが進むにつれて、「他にも削減できる部分はないか」と新たな削減余地を探し始めるはずです。また、上場企業へのScope 3の開示義務も、今後さらに拡大していく見込みです。
こうした中で、私たちのサービスは、低コストで導入しやすいソリューションとして、企業にとってますます注目される存在になると期待しています。
━━ 今後、御社として脱炭素に向けて検討している取り組みがあればお聞かせください。
中村:当社の事業においては、実はカップの配送・回収に使う車の移動で、最も多くのCO2が排出されています。今後、お客様が増えてくればくるほど移動距離や車両数も増え、それに比例して排出量も増えていくことを懸念しています。
そのため今後は、カップの洗浄施設をより利便性の高い場所に移転したり、車両をEVに切り替えたりといった対応を検討していきたいと考えています。

━━今後の事業の展望を教えてください。
現在は主に企業向けにサービスを提供していますが、今後は消費者が直接利用できるようなビジネスモデルの展開も視野に入れています。
その一つの構想として、リユーザブルカップを地域全体で循環させる仕組みを実現したいと考えています。たとえば、カフェでコーヒーをリユーザブルカップでテイクアウトし、飲み終えたら最寄りの駅や別の提携店舗でカップを返却できる、といった形です。
実現のためには、自治体との連携や、カップの利用から返却までを一括して管理できるシステムの構築など、考えるべき課題は多くあります。
それでも、これらのハードルを一つひとつ乗り越えながら、リユースを通した循環型システムをつくりあげていきたいと考えています。
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