
株式会社みずほフィナンシャルグループ / 株式会社みずほ銀行 サステナブルビジネス部 副部長末吉光太郎様(左)、e-dash株式会社 代表取締役社長 山崎冬馬(右)
e-dashは2月13日、三井物産、みずほ銀行、みずほイノベーション・フロンティアとの4社間で資本業務提携契約を締結しました。本提携において、e-dashは既存株主である三井物産からの追加出資に加えて、新たにみずほイノベーション・フロンティアより出資を受け、総額25億円の資金調達を行います。
本提携を記念して、e-dashでは代表取締役社長の山崎冬馬とみずほフィナンシャルグループ・みずほ銀行サステナブルビジネス部副部長の末吉光太郎様との対談インタビューを実施しました。
両社の出会いから資本業務提携に至るまでの“裏側”、そして今後両社で目指していくゴールとは?

──両社の最初の出会いは?
末吉光太郎様(以下、末吉):2022年の春に東京で開催された脱炭素に関する展示会で、我々の部のメンバーが「e-dash」のブースを訪ねたのが最初のきっかけでした。
山崎冬馬(山崎):当社の設立が2022年2月ですから、設立してまもなくという時期でしたね。展示会の後にメールでお問い合わせをいただいたと記憶しています。
末吉:「すごいサービスがありました」と資料を共有してもらったのですが、私自身、一目見て「これはいいな」と感じたのを覚えています。
背景を少しお話させてください。
産業革命以降、人類は化石燃料を燃やしCO2を大量に排出しながら成長を続けてきましたが、気候変動によって一転、これ以上CO2を排出してはいけなくなってしまいました。産業界は今、歴史的なゲームチェンジの時を迎えており、それに伴い産業構造の大転換が起きつつあります。こうした中、みずほフィナンシャルグループでは、これを一つのチャンスと捉え、脱炭素・サステナビリティを起点に日本の産業競争力を改めて強化していきたいと考えてきました。
一方、頭を悩ませてきたのが、中堅中小企業の脱炭素推進の仕組みをどう構築していくか、という点です。国内企業の99%以上を占める中堅中小企業ですが、大企業に比べて脱炭素への意識・取り組みが遅れていることが課題となっています。カーボンニュートラルの実現には、中堅中小企業と一緒に取り組んでいくという点が非常に重要だと思います。
中堅中小企業向けの戦略を考える上で、我々がキーワードにしてきたのが「再現性」です。
一口に中堅中小企業と言っても、その数は非常に多く、規模も立ち上げ初期のスタートアップから大企業の一歩手前まで幅広い。その分、ニーズもバラバラです。
そのため、個別ニーズに応えていくのは非効率で、再現性のある取り組みを進めていくことが重要です。そして、この再現性には「誰にでも使いやすい」「面でアプローチできる」という2つの要素が欠かせないと考えていました。
このように考えていた矢先、出会ったのが「e-dash」です。請求書をアップロードするだけという簡単な操作でCO2排出量を正確に算出・可視化できるという特徴は、まさに「誰にでも使いやすい」に合致するものでした。

山崎:中堅中小企業の脱炭素化の難しさは、個社の排出量は相対的に小さくとも、とにかく企業数が多いために相当数の人を動かしていかなければならないという点にあります。脱炭素社会への移行プロセスにおいて、最も苦しさが伴う、乗り越えるべき高い壁だと感じています。
中堅中小企業が脱炭素に取り組む上で最も高いハードルとなっているのが「人材・知識不足」です。そのため「e-dash」は、専門知識や経験値に左右されない、シンプルで使いやすいインターフェースにこだわり続けてきました。
末吉:実際に山崎さんにお会いして「e-dash」の詳しい説明をいただくと、サービスの利用対象として中堅中小企業にもしっかりと意識を向けてプロダクトを作られているのだな、ということがより一層実感できました。
たとえば、サービス導入直後のお客さまに利用方法をオリエンテーションする「キックオフミーティング」など諸々のカスタマーサクセスの設計は、「面でのアプローチ」に対して最適なデザインとなっています。また、CO2排出量の「見える化」のみならず、排出量削減の手段までセットで提供していらっしゃる。プロダクトをデザインする力が素晴らしいなと感じました。
e-dashをただ知っているだけにしておくのはもったいない。きちんと枠組みを設けて、一緒に取り組んでいけないか。そう考え、2022年7月にまずビジネスマッチングの提案をさせていただきました。
山崎:e-dashは、企業の経営に寄り添う金融機関と手を取り合うことで中堅中小企業の脱炭素を推進していきたいという考えのもと、創業当時から全国の金融機関との提携を進めていました。ですから、国内に膨大な顧客を持つみずほ銀行さんから連携のご提案をいただいた際には、率直に「こんなありがたいお話はないな」と感じましたね。
関連リリース:
CO2排出量可視化サービス「e-dash」とみずほ銀行が連携を開始(2022年7月)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000095916.html

──連携の内容や成果は?
山崎:出だしは正直なところ、いただく紹介件数に対して「みずほ銀行さんならもっとできるんじゃないか」という印象で、少し苦戦しました。
風向きが変わったきっかけは、みずほ銀行と葛飾区による中堅中小企業の脱炭素支援の枠組みの中にe-dashも巻き込んでいただいたことでしょうか。区による補助金対象のCO2排出量可視化クラウドサービスに「e-dash」を加えていただけることになりました。これに伴い、区内のみずほ銀行のお客さまに対して、葛飾区や関東経済産業局にもご登壇いただくセミナーも実施することができ、成約にも繋がりました。
これを契機に互いの連携も深まり、さらに世の中の脱炭素への機運の高まりも相まって、紹介件数は右肩上がりで伸びています。ありがたいことに現在では、数ある提携先の中でも、安定的に多くのお客さまをご紹介くださる金融機関になっていただいています。
末吉:連携を開始した2022年当初は、お客さまの脱炭素への温度感が今ほどは高まっておらず、当行の営業パーソンもお客さまの事業戦略上の脱炭素の重要性に踏み込めていない時期でした。そのため最初は、件数目標を設けてどんどん売り込んでいくというより、中長期的な視点で、e-dashさんが提供される機能を起点に当社として何ができるかを模索することに重きを置きました。
こうした文脈の中で、たとえば、サステナビリティや脱炭素を起点としたお客さまとの対話を進めるべく、支店単位で独自のアンケートを作成しお客さまの関心・取り組み深度に応じたソリューション提供をするなど、自主的な試みも生まれています。
現場の人間にとってはやはり「お客さまの喜び」が一番のモチベーションになります。「e-dash」の紹介を通じ、彼らの成功体験も増えてきており、現場でも良い循環が起きていると感じます。
──資本業務提携の経緯は?
末吉:ビジネスマッチングを通して、さらに次々とプロダクトを強化・拡大される様子を間近で拝見する中で、CO2排出量の「見える化」や「中堅中小企業」にとどまらないe-dashのポテンシャルの高さをまじまじと感じさせていただきました。
こうした中、我々として両社のもう一歩踏み込んだ連携を構想するに至りました。e-dashの「デザイン力」とみずほ銀行の「ネットワーク・顧客層」を掛け合わせれば、もっとビジネス展開ができるのではないか、と。
しかし、そもそも現実的な構想なのか分からず。恐る恐る、でも平静を装って、山崎さんにお電話を差し上げました(笑)2022年12月頃だったでしょうか。

山崎:お電話をいただいて、急いでフォンブースに駆け込んだのを覚えています(笑)
最初にお話した時から既に、インパクトがあることをできる座組みであるのは間違いないという確信がありました。ですから、その後の約1年間は親会社の三井物産も一緒に、目指す方向性や枠組みについてじっくりと議論を重ねてきました。

──e-dash、みずほ銀行、みずほイノベーション・フロンティア、三井物産の4社の資本業務提携で目指していくこと、今後の意気込みは?
末吉:次の世代に良い社会を残していくためには脱炭素に取り組むことは不可欠であり、そのためには日本の産業構造を大きく転換させていかなければなりません。e-dash、三井物産、みずほで様々な領域で、産業構造転換を支える仕組みをデザインしていきます。
一つは、やはりCO2排出量の「見える化」です。
中堅中小企業目線では、取引先や金融機関からCO2排出量の開示が求められるようになり、集計に労力が削がれています。逆の大企業目線でも、サプライチェーン排出量の把握・削減に向けて、サプライヤーエンゲージメントや回答の回収に多大なコストがかかっている状況です。両者のコストを減らし、他の部分にリソースを回せるようにすることが、そのまま日本の競争力につながります。ですから、当行としては、誰でも取り組める仕組みをe-dashの「見える化」で提供し、そのデータを元にお客さまの事業戦略への提案をしたり、事業構造転換を促したりすることで、大きなうねりを作っていきたいと考えています。
こうしたビジョンはありつつ、足元ではとにかく当行の一社でも多くのお客さまに「e-dash」を使っていただき、まずは「見える化」する企業数を増やしていくことに注力していきます。e-dashにも専門のタスクフォースを立ち上げていただき、マーケティング・営業戦略を両社で綿密に練っていきます。
「見える化」の先の戦略も並行して考えていきますが、我々は金融機関ですので、やはり最終的に最も期待されるのは資金提供だと考えています。e-dashの「見える化」を起点にして、お客さまが脱炭素に取り組むための資金をご提供できるようなサステナブルファイナンスの枠組み構築も検討していくつもりです。
山崎:実は、末吉さんが以前おっしゃっていて非常に印象に残っている言葉がありまして。
「近い将来、銀行が法人のお客さまとお取引する際に『口座を開設してください』とお願いするのと同時に『CO2排出量を教えてください』と尋ねる時代が来るんじゃないか」と。
企業に対する捉え方が劇的に変わってきていることを実感する言葉でした。企業を見るとき、事業内容や財務諸表だけではなく、ESGへの取り組み姿勢や定量データが判断基準に含まれてくる世界になっていくのは、もう間違いありません。また、資本主義自体も、株主中心主義からステークホルダー主義に変容しつつあります。
こうした大変革の真っ只中に4社で事業を一緒にやらせていただくこと、さらに日本の産業構造転換という大きな使命に、改めて背筋が伸びる思いです。しかし、このタッグであれば必ずや後押ししていけると思いますので、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
末吉:我々はメガバンクとして遠い未来を見る力はあるかもしれませんが、足元の機敏さという意味では少々動きが遅いのも事実。スピード感溢れるe-dashさんと一緒になることで、とにかく我々のお客さま、日本の産業の脱炭素化をどんどん「dash(加速)」させていきたい。本当に楽しみにしています。

株式会社みずほフィナンシャルグループ
設立日:2003年(平成15年)1月8日
URL:https://www.mizuho-fg.co.jp/index.html
所在地:〒100–8176 東京都千代田区大手町1丁目5番5号(大手町タワー)
事業内容:グループの経営効率の向上と事業分野、機能面における特色・強みの結合を実現するために必要な経営管理等
株式会社みずほ銀行 会社概要
発足日:2013年7月1日
URL:https://www.mizuhobank.co.jp/
所在地:〒100–8176 東京都千代田区大手町1丁目5番5号(大手町タワー)
事業内容:預金業務、貸出業務、商品有価証券売買業務、有価証券投資業務、内国為替業務、外国為替業務、社債受託および登録業務、附帯業務
企業情報
会社名
みずほ × e-dash
所在地
〒100–8176 東京都千代田区大手町1丁目5番5号(大手町タワー)
業界
金融・保険
事業内容
グループの経営効率の向上と事業分野、機能面における特色・強みの結合を実現するために必要な経営管理等
あらゆる企業が、自社に適した道筋で
事業の成長と脱炭素化を両方実現できるように。
ご希望のお取り組み内容に応じたご提案が可能です。
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