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月島食品工業株式会社

「脱炭素は早くやったもの勝ち」。月島食品工業がScope 3への取り組みを加速する理由

2025.05.13

  • 導入企業

  • 製造

  • CO2の可視化

  • 100人〜999人

  • 非上場

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    左から増田様、海上様、下遠野様、高井様|月島食品工業株式会社 本社(東京都江戸川区)

    業務用マーガリン等の食用加工油脂やホイップクリーム等の食品素材を開発・製造・販売する月島食品工業。同社の製品は、私たちがコンビニやスーパーなどで日常的に手に取るパンやスナック菓子、レトルトカレーなど、様々な食品に広く使われています。

    自社のCO2排出量の削減に先進的に取り組み、東京都から表彰された実績も持つ同社ですが、現在は取り組みをサプライチェーン全体にまで拡大し、Scope 3の算定・削減を推進しています。

    未上場企業のためScope 3の開示義務はありませんが、積極的に取り組んでいるのは今後、取引先などからの開示要請が増えることを見据えたもの。担当者は、取引先などから“選ばれる企業”になるために「脱炭素は早くやったもの勝ち」と語ります。

    今回は、同社のこれまでの脱炭素への取り組みや今後の展望、e-dashのコンサルティングサービスを活用してScope 3排出量の算定に取り組んだ感想などをお伺いしました。

    Scope 3算定への焦り「一朝一夕では対応できない」

    写真:インタビューに応える増田様、海上様、下遠野様

    ━━CO2排出量削減に向けた取り組みで成果を上げ東京都から2度も表彰されるなど、以前から脱炭素に先進的に取り組んでこられました。

    海上様(以下、海上):当社では、製造コストを1円でも抑えて競争力を高めるため、省エネにはずっと以前から地道に取り組んできました。

    CO2削減という視点からも取り組むようになったのは、社会全体で地球温暖化への関心が高まり始めた2000年頃からです。時を同じくして都の「東京都地球温暖化対策計画書制度」のもと、当社東京工場は条例対象事業所としてCO2排出量の削減義務を負うことになりました。これをきっかけに、本格的な設備投資を行い、さらなる省エネ・脱炭素推進に舵を切りました。

    下遠野様(以下、下遠野):具体的には、工場の各機械に計測装置を設置し消費電力の「見える化」をしたり、照明の電力消費を抑えるために人感センサーを導入したりしました。中でも特に効果が大きかったのは、ボイラーの更新です。重油から都市ガスへの燃料転換により大幅なCO2削減を実現できたことが、2008年および2011年の都からの表彰につながりました。

    ━━これまで独自に取り組んできた実績がある中で、なぜ外部サービスの導入を検討されたのでしょうか。

    写真:インタビューに応える増田様、海上様

    増田様(以下、増田):グループ企業が取引先からCDPの回答を求められたという話を聞いたのがきっかけに、脱炭素について本格的に学び始めました。その中で、「いずれScope 3やLCAの開示・削減が求められる時代が来るのでは」と強く感じるようになりました。

    当社ではこれまでScope 1・2の開示・削減には取り組んできたものの、Scope 3やLCAの算定には着手できていませんでした。これらの算定は複雑で手間もかかり、一朝一夕で対応できるものではありません。だからこそ、取引先から情報開示を求められる前に準備を進めなければという焦りがありました。

    しかし、独学には限界があると感じ、専門家の支援を受けながら進める必要があると考え、複数の業者を検討することにしました。

    ━━多くの業者がある中で、e-dashを選ばれた理由を教えてください。

    海上:業者選定においては、長くお付き合いができるか、信頼できる企業であるか、も最も重視しました。e-dashの親会社である三井物産株式会社とは取引を通じて以前から深いお付き合いがあり、その信頼関係が大きな安心材料となりました。また、コストパフォーマンスの高さも魅力でした。

    Scope 3算定「ここで間違えていたのか」。コンサルサービスで得た気づき

    ━━当社のScope 3算定のコンサルティングサービスをご利用いただいての感想を教えてください。

    増田:実は、コンサルティングを受ける前に自分でもScope 3を算定してみたのですがe-dashのサポートを受けて改めて算定した数値と比べると、やはり大きな差がありました。「ここで間違えていたのか」と誤りに気づけた点も非常に有意義でした。

    コンサルティングの目的の一つが、担当者としてScope 3について詳しい知識を得たいというものでしたが、おかげで達成することができたと感じています。

    ━━Scope 3算定をしてみて、気づいたことや新たに見えた課題はありましたか。

    下遠野: ある程度予想はしていましたが、実際に可視化し、グラフで全体像を確認すると、Scope 3が当社のCO2排出量に占める割合の大きさに改めて驚きました。私たちがこれまで一生懸命削減してきたScope 1・2は合計しても全体の4%ほどで、残りの96%をScope 3が占めます。今後は、この大部分をどう削減していくかが大きな課題です。

    写真:インタビューに応える下遠野様

    Scope 3削減の鍵は、組織横断による全社の意識醸成

    ━━Scope 3の削減に向けて、今後の展望をお聞かせください。

    海上:Scope 3の中でも特に排出割合が大きかったのが、カテゴリ1の「購入した製品・サービス」やカテゴリ4「輸送、配送(上流)」、つまり原材料の調達・輸送に関わる部分です。ただ、当社の製品に使われている原材料の多くが輸入に頼っており、自社だけでの削減はなかなか難しいのが実情です。たとえば、チョコレートの原料となるカカオ豆は地球の反対側のような地域から輸入していますが、その輸送過程だけでも相当なCO2が排出されてしまいます。

    こうした中、当社としてまず取り掛かっているのが、サーキュラーエコノミーの推進やフードロス削減です。一見すると脱炭素に関係ないように思えるかもしれませんが、実際にはScope 3排出の主要因である「仕入」「輸送」「廃棄」の各プロセスと密接に関連しています。フードロスを減らすことで、無駄な仕入やそれに伴う輸送、さらには廃棄処理にかかるCO2排出も同時に削減することが可能です。

    Scope 3の削減を推し進めるにあたっては、私たちCO2削減委員会のメンバーだけではなく、購買部など全部署が主体的に動いていくことが欠かせません。当社には関連会社も含めた組織横断的なSDGsの推進チームがあり、年に2回全体会議を開いて、機運を高めるようにしています。縦割りではなく、横断的に集まってアイデアを出し合い、実行に移していくことを通して意識を高めていきたいです。

    写真:インタビューに応える高井様

    高井様:社員全員に脱炭素をいかに「自分ごと」にしてもらうかは、やはり難しい課題です。一方で、今の若手社員は、私たちの世代が20代・30代だった頃に比べて、もともと環境への意識は高い傾向にあります。そうした意味では「自分ごと」化へのハードルは低く、自分の会社が環境問題に真剣に取り組んでいると感じられれば、それが彼らの自信や誇りにもつながると考えています。

    脱炭素は「早くやったもの勝ち」

    写真:インタビューに応える増田様、海上様、下遠野様、高井様

    ━━これから脱炭素に取り組みたいと考えている企業様に、アドバイスがあればお願いします。

    海上:当社は未上場企業のため、Scope 3の開示は義務化されていません(編注:プライム上場企業は2027年度から義務化される見通し)。それでも、Scope 3の開示・削減への取り組みを積極的に進めることで、取引先の要請にもすぐに対応でき、企業としての信頼性が高まります。そういった「見えない評価」が、結果的に新たな取引先の獲得につながる可能性があると信じています。

    その意味で、脱炭素への取り組みは「早くやったもの勝ち」だと断言できます。取引先はもちろん、これから社会に出てくる若い世代に選ばれる会社になるために、ぜひ早めのアクションをおすすめしたいです。

    写真:月島食品工業株式会社 本社(東京都江戸川区)の外観

    月島食品工業株式会社 本社(東京都江戸川区)

    企業情報

    会社名

    月島食品工業株式会社

    所在地

    〒134-8520 東京都江戸川区東葛西3-17-9

    業界

    • 製造

    事業内容

    マーガリン、ショートニングなどの食用加工油脂の製造・販売、油脂利用食品、乳などを主要原料とする食品の製造・販売 、チョコレートおよびチョコレート関連製品の販売 、冷凍生地の販売

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