国産デニムの発祥地 “岡山県倉敷市児島”から世界へ。 国内縫製業界初となる 「B Corporation」の取得により、 先進的な縫製工場を目指す。 デニム製造の環境負荷や 縫製工場のあり方を見直したい

企業名:株式会社ナイスコーポレーション 業種:製造業
「国産デニム発祥の地」として知られる児島(岡山県倉敷市)でデニムの企画から仕上げ、出荷までをワンストップ生産で実現する縫製工場です。国内のブランドから世界的なハイブランドまで、地域生産にこだわった高品質なデニム製造を行っています。
株式会社ナイスコーポレーションは、世界的にデニムの生産地として知られている岡山県倉敷市児島に拠点を構えているデニム縫製工場です。
“倉敷市児島から世界のブランドを支える”ことを信念に、企画から仕上げ・出荷まで、“地域型ワンストップ生産”を実現してきました。
また、瀬戸内海に面する美しい土地である児島を守るため、“環境に配慮したものづくり”にも努めてきました。その取り組みのひとつとして、2023年4月に、国内の縫製業界初となる国際認証「B Corporation」を取得しています。
認証取得の背景や今後の展望について、株式会社ナイスコーポレーション代表取締役である井筒氏と、外部パートナーとして認証取得をサポートした行政書士の山磨氏にインタビューを行いました。
目次

井筒氏:デニム製造は、製造過程で綿花栽培にたくさんの水を使用するため、世界的にも環境負担が大きいと言われています。
山磨氏:令和2年度に環境省から出た「ファッションと環境」という報告書によると、アパレル全体で、服を1着作るのに2,368リットルの水が必要だそうです。綿花の栽培にはとてつもない量の水が使われており、原料調達の段階で91%を使用していると言われています。
井筒氏:加えてデニムの製造には化学染料に加え、ユーズド加工をするときには石を使った「ストーンウォッシュ」という作業を行います。加工の際に粉じんが出て、使った後の石は産業廃棄物になってしまうという課題があります。
そこで、私たちはアパレル産業における環境負担のイメージを変えていくため、サステナブルで環境に配慮したものづくりを両立していくことが大切だと考えました。その一つ重要な観点として、カーボンフリー化の推進は不可欠と言えます。

井筒氏:第一に「社会や環境に対して十分に配慮した経営を行っている企業であるということを伝えたい」という大きな思いがありました。
社会・環境問題に対する意識が高い世界を相手にビジネスを展開していくために、アジアを含めて全世界で包括的に認められる認証を探していたところ、アメリカの国際認証制度である「B Corporation」に行き着きました。
社員の働き方を含む、社会や環境に配慮した公益性の高い企業であることを示す国際的な基準である「B Corporation」は、必要な事柄が今までの事業内容と適合している部分が多々ありました。
例えば、労務に関して、以前から労働環境を整えていたことが認証取得にあたってうまく作用しました。環境への配慮についても、ゴミの分別や破棄するデニムのリサイクルに取り組んでいたので、この認証項目についてもすんなりとフィットしました。
そもそも縫製産業自体、環境に対する負担の軽減や、社会に対する公益性がまだまだ整備されていないイメージがあります。労務関連はB Corporationの認証取得にあたって必要な要素ですが、他の業界の労働環境に比べ、我々縫製業界が満たしている水準が低いものと思われがちであった今までのイメージを変えていくことを目指しており、それが認証取得を目指すきっかけでもありました。
B Corporationの認証を受けている企業は、日本では23社(2023年4月時点)です。取得のためには、オンライン認証試験「B Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)」の200の質問のうち80点以上を獲得する必要があります。(※1)
認証取得はとても大変なことに思えますが、実は取得に必要な基礎の部分は、どこの会社も持ち合わせている要素だと感じました。ただ、英語で手続きを進めなければならないことがハードルと言えるかもしれません。
※1 参照:https://eleminist.com/article/1323

山磨氏:B Impact Assessmentの5つの項目のうち、大項目である「自然環境」のカテゴリの中の「大気と気候」という中項目の中に、「炭素強度」という項目があります。
B Corporationの認証取得にあたって炭素強度の数値を提示しなければならないのですが、それが難しく、色々なツールを検討した結果、e-dashを使用してCO2排出量を可視化しそのデータを用いて炭素強度を算出することができました。
炭素強度とは、CO2の排出量(Scope1・2)を収益で割ると出てくる数字のことで、収益1円当たりのCO2排出量のことを指します。炭素強度が低いと、CO2を出さずに売上を上げているということになり、B Impact Assessmentの項目において良いスコアが取れます。
炭素強度の計算は通常なら手間もかかりますが、e-dashなら月々のエネルギー関連の請求書をアップロードしておくだけでまずCO2排出量のデータは整います。あとはデータエクスポート機能で特定の期間のデータを出力し、割り算するだけなので、わずかな時間で炭素強度の数値の計算が可能です。
井筒氏:e-dashは、自然環境へ配慮した企業活動を証明するB Corporationの取得にあたり、炭素強度の把握をサポートをしてくれる重要な存在です。e-dashがなければ、計算は不可能だと言っても過言ではありません。今後、あらゆる企業が脱炭素経営に着手しなければならない中で、弊社ではこの取り組みを第一歩として、時代に合ったデニム製造の姿勢を世界に向けて発信していきたいと考えています。

経営に透明性を。可視化はそのための第一歩
井筒氏:現在、売上に占める国内と海外の割合で言うと、まだまだ国内の方が高いですが、やはり海外のほうが環境配慮へのモチベーションが高く、ニーズが大きいため海外への取引の比率を増やしていきたいと考えています。海外との取引は4年ほど行っていますが、B Corporation認証を得て、海外へ向けた情報発信をさらに強化していきたいです。
例えばフランスでは、気候変動対策・レジリエンス強化法が制定され、消費者に向け商品の環境に対する影響度を見える化する取組が既に始まっており、この流れは今後ヨーロッパ、引いては世界に広がっていくものと考えています。よって、デニムの環境負荷が大きくなってしまう理由もオープンにしながら、会社としての取り組みや魅力をアピールしつつ、ものづくりをしていかなければなりません。
ファッションの中心であるヨーロッパでの販路を広げるためにも、B Corporation認証はアピールの武器になると考えています。
株式会社ナイスコーポレーション
代表取締役社長 井筒 伊久磨 様、行政書士(外部パートナー) 山磨 貴幸 様
企業情報
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事業の成長と脱炭素化を両方実現できるように。
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