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県内企業を脱炭素経営の“スタートライン”に。宮崎県がe-dashと始めた挑戦

2023.12.06

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  • CO2の可視化

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    宮崎県 環境森林部 環境森林課 ゼロカーボン社会づくり担当 主幹 湯浅伸弘 様(左)、野口翔様(右)

    企業が脱炭素経営のスタートラインに立てるようにーー。

    宮崎県は2023年度、e-dashと連携し、県内企業の脱炭素経営をサポートするプログラム「ゼロカーボンひなたチャレンジ」を実施しています。

    県による企業に対する脱炭素支援としては、全国を見渡しても例を見ない、先進的な取り組みです。

    プログラムが誕生した経緯とは?また、宮崎県がe-dashをパートナーに選んだ理由とは?

    宮崎県で「ゼロカーボン社会づくり」を担当する湯浅伸弘様、野口翔様にインタビューしました。

    県独自でCO2排出量算出シートを作成も…「見える化」への課題

    インタビューに応える湯浅様

    ──県内企業の脱炭素ついて、県としてどのような課題感を抱いていましたか。

    野口翔様(以下、野口):宮崎県は他県と比べると製造業はそれほど盛んではないですが、それでも県全体のCO2排出量の半分近くが製造業を中心とした事業者から排出されています。県が掲げる「2050年ゼロカーボン社会づくり」(※1)を進めるにあたって、県内企業の脱炭素化を支援していかなければならないというのは前々からの課題でした。

    また、宮崎県には大企業の子会社や下請け企業が多いこともあり、近年は県にも「取引先や親会社から言われて脱炭素に取り組まなければいけないが、何から始めたらいいか」という問い合わせが増えていました。

    ※1:宮崎県は2021年3月、「2050年ゼロカーボン社会づくり」を掲げ、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すことを表明しました。

    ──2023年5月、「GHG見える化事業」を委託する事業者を公募しました。県内企業の脱炭素支援において、温室効果ガスの「見える化」に目をつけたのはなぜですか。

    野口:よく「ダイエットを始めるにはまず体重計に乗らないといけない」などと例えられますが、脱炭素に取り組むにあたってまず重要なのは、CO2排出量の「見える化」です。自社の排出量の全体像が分からないと、どこから、どのくらい削減ができるのかも分かりません。

    湯浅伸弘様(以下、湯浅):県はこれまで、県内企業への脱炭素支援の一環として、太陽光発電設備や空調・照明などの省エネ設備の導入に補助金を出すなどの施策を実施してきました。ただ、こうした個別の脱炭素施策を実行することで「やった気になってしまう」企業も多い。

    こうした企業に、実際はまだ削減余地があることに気づいてもらったり、より戦略的な削減計画を立ててもらったりするためにも、CO2排出量の「見える化」を後押ししたいという考えがありました。

    野口:県では以前より、一定規模以上の排出事業者向けにCO2排出量を算定する簡易シートを作成するなど、企業の「見える化」の推進をしてきました。ただ、どうしても手入力が必要で「分かりにくい」という声も多く、利用は限られていました。

    そこで、前々から目にしていたCO2排出量可視化のクラウドサービスと手を組めないか、と思い立ちました。情報収集をする中で「これならば県内企業にもメリットを感じてもらえる」と感じ、「GHG見える化事業」を立ち上げるに至りました。

    「手間が増えるならやらない」が一番のリスク。e-dashを選んだ理由は

    インタビューに応える野口様

    ──「GHG見える化事業」の企画提案競技で、数ある可視化クラウドサービスの中から「e-dash」を選んでいただきました。何が決め手になりましたか。

    野口:初めて脱炭素に取り組む企業がメインのターゲットだからこそ、「手間が増えるならやらない」となってしまうことが一番のリスクだと感じていました。したがって、事業者選定では「いかにハードル低く可視化ができるか」という点が大きなポイントでしたね。

    その点、「e-dash」では、企業に手入力の負担をかけず、領収書のアップデートをしてもらうだけで可視化が叶います。また、このように使いやすいツールである一方で、算出プロセスが「第3者検証(※2)」を受けているなど正確性が担保されている点も強みに感じました。

    ※2:国内初、大手監査法人によるCO2排出量可視化サービスの第三者検証を実施(2022年6月30日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000095916.html

    【「ゼロカーボンひなたチャレンジ」の概要】

    県内の参加企業が2024年3月末までの約半年間、e-dashを用いた脱炭素支援を無料で受けることができるプログラムです。

    参加企業はまず、事業活動に伴うCO2排出量(Scope 1・2)の算出・可視化をクラウドサービス「e-dash」を用いて実施。可視化された情報をもとに、e-dashが各参加企業に対して削減施策の検討整理と提案を行います。

    参加企業は約100社で、製造業、建設業、サービス業など多岐にわたります。

    関連リリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000095916.html

    「ゼロカーボンひなたチャレンジ」のキービジュアル

    応募企業が殺到。背景には地域金融機関の存在も

    ──「ゼロカーボンひなたチャレンジ」は、募集開始から1ヶ月で50社の枠が埋まり、募集期限とした9月末にはもともとの想定を大きく上回る100社以上の応募がありました。

    野口:正直、ここまで応募が殺到するとは予想していませんでした。やはり企業のニーズがあったのだと、率直に驚きと喜びを感じています。

    他県の市町村からも「どうやって取り組んでいるのか」「なぜ始めたのか」などとかなりのお電話をいただきました。

    インタビューに応える湯浅様

     

    ──予想を上回る応募は、プログラムの周知において県内の金融機関と連携したことが功を奏した結果でもあります

    湯浅:金融機関さんは、日頃から地域の企業さんとのお付き合いがあり、各企業のことをよくご存知です。また、金融機関さんから脱炭素経営の重要性を呼びかけられると、企業も納得感を感じやすい。

    こうした期待から今回連携をさせていただきましたが、実際に金融機関さん経由で非常に多くの企業から応募が集まりました。

    e-dashさんが県内の金融機関さんと広く提携していたからこそ上手く機能したのだと感じますし、e-dashさんにも感謝しています。

    県企業が脱炭素取り組みを「世界」に対してアピールできるように

    ──プログラムは2024年3月末まで続きます。どんな期待をしていますか。

    湯浅:参加企業に対しては、当初の狙い通り、CO2排出量の「見える化」というスタートラインに立っていただいた上で、脱炭素を自分ごと化し、自社に必要な取り組みを知っていただくきっかけにしてもらいたいです。

    また、プログラムの終了後には、e-dashさんより、各企業の取り組み結果をまとめたレポートを提出いただく予定です。レポートを通して県内企業のCO2排出の実態を把握させていただき、県として今後の支援のあり方も議論していければと考えています。

    野口:行政、とりわけ我々のような環境部門が脱炭素を唱えても企業には響きにくい。e-dashさんと参加企業という「民間同士」でしっかりと「数字」でお話をしていただくことが、県内企業の心を動かすカンフル剤になればとも期待しています。

    インタビューに応える野口様(左)、湯浅様(右)

    ──県内企業への脱炭素支援について、今後の展望を教えてください

    湯浅:CO2排出量の「見える化」については、県内企業にまだまだ需要がありますので、引き続きの支援を検討しています。並行して、「見える化」した企業を次のステージでどう支援していくか、という点についても考えていきたいと思います。

    野口:県主催のセミナー等でも発信していることですが、脱炭素は「やらないといけないからやる」とネガティブに捉えるのではなく、取り組みを企業の強みにしていくという姿勢が大切だと感じています。宮崎の企業が脱炭素で「置いていかれないように」というのはもちろんですが、むしろその取り組みを全国や世界に対してアピールできるように。そんな思いで、今後も県として取り組みを続けていきます。

    宮崎県
    所在地:〒880-8501 宮崎県宮崎市橘通東2-10-1
    概要:26の市町村があり、人口は約105万人。平均気温や日照時間、快晴日数が全国上位で、温暖な気候を利用した農業が盛ん。牛・豚・鶏も日本有数の生産高を誇っている。
    URL:https://www.pref.miyazaki.lg.jp/

    企業情報

    会社名

    宮崎県

    所在地

    〒880-8501 宮崎県宮崎市橘通東2-10-1

    業界

    • 自治体

    事業内容

    26の市町村があり、人口は約105万人。平均気温や日照時間、快晴日数が全国上位で、温暖な気候を利用した農業が盛ん。牛・豚・鶏も日本有数の生産高を誇っている。

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