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株式会社小野包装

始まりは得意先からの「1通のメール」。小野包装の社長が脱炭素を“自社ごと”と捉えるまで

2024.07.08

  • 導入企業

  • 倉庫・物流

  • CO2の可視化

  • 100人〜999人

  • 非上場

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    株式会社小野包装 代表取締役社長 小野一佳様

    脱炭素は中小企業には関係ないーー。

    そんな風に感じる方も多いかもしれません。しかし、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減がますます求められる今、企業の規模を問わず、脱炭素への取り組みが求められるようになってきています。

    営業倉庫業を営む株式会社小野包装はある日突然得意先企業からサステナビリティへの取り組み状況を尋ねられたことをきっかけに、脱炭素への対応に乗り出しました。

    小野社長にとって当時は「他人事」だった脱炭素。それが今では、経営方針と密接に関わる重要なテーマと捉えるまでになっています。一体なぜなのでしょうか。

    「きっとメリットになって返ってくる」脱炭素に取り組むきっかけ

    小野包装の守谷工場

    ━━脱炭素に取り組み始めたきっかけは何ですか。

    小野一佳様(以下、小野):30年以上ご贔屓にしていただいている得意先の外資系企業から2022年2月に突然、メールが届いたのがきっかけです。「EcoVadis(※1)」のサステナビリティ評価を受け、評価後のスコアカードを共有 するよう求めるものでした。

    もちろん、SDGsや地球温暖化対策についてはニュースでよく聞きますが、どこか他人事のように感じていました。大企業や重化学工業など、社会や環境により大きな責任を持つ企業や業界に求められる話だと受け止めていたんですね。

    正直とても驚きましたが、取引先からの指示ですからとにかく受けることにしました。ところが、最初は質問文を理解するところから一苦労で…。「GHG」や「Scope 1・2・3」など見慣れない用語を一つ一つ調べながら回答していきました。

    インタビューに応じる小野様

     

    この過程で学んだことがあります。それは、当社の得意先を含め、大手企業の多くが現在、カーボンニュートラル達成を掲げ、自社だけではなくサプライチェーン全体の脱炭素化に取り組み始めているということです。この「サプライチェーン」には当然、当社のような物流業者も含まれます。つまり、遅かれ早かれ、あらゆる得意先からCO2排出量の削減が求められるようになるのは避けられない、ということです。

    危機感を覚えた一方で、チャンスも感じました。他社に先駆けて取り組めば、差別化に繋がり、新たなビジネスチャンスを掴むことができるかもしれないからです。

    また、当社は過去にも得意先からの要望をきっかけにQMS(品質マネジメントシステム)やISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)などに取り組んできました。どの取り組みも最初こそ戸惑いや試行錯誤がありましたが、中長期的には経営にプラスに働いてきました。こうした経験から、サステナビリティや脱炭素への取り組みも「将来的にはきっとメリットになって返ってくる」という直感がありました。

    ※1:主にバイヤー企業向けに、サプライヤー(仕入先)企業のサステナビリティへの取り組みを評価する機関

    e-dashによる「見える化」で叶った、補助金の申請

    インタビューに応じる小野様

     

    ━━2023年9月に「e-dash」を導入いただきました。導入に至るまでの経緯を教えてください。

    小野:自社のCO2排出量の「見える化」は、削減目標を設定するにも、目標に対する現状評価をするにもベースとなる取り組みなので、まず最初に取り掛かりました。

    当初は従業員が表計算ソフトで算出していたのですが、手入力等にかなりの手間がかかることが見えてきました。CO2排出量の「見える化」自体はゴールでも成果でもありませんが、これだけで息切れしてしまい、本来の目的である排出削減への取り組みまで手が回らないーー。気づけば、そんな状況に陥っていました。無論、当社は中小企業なのでサステナビリティ専門のチームを作る余裕もありません。そこで、機械化や外部委託を検討するようになりました。

    「e-dash」のことは、メインバンクであるみずほ銀行に勧められて参加したセミナーで知りました。「e-dash」ならば、電気やガス等の請求書をアップロードするだけでCO2排出量を自動で算出できるため、かなりの省力化が見込めます。セミナー後、すぐに申し込みをしました。

    実際に導入後、CO2排出量の算出にかかる効率が上がり、削減に向けた取り組みも弾みがつきました。たとえば、省エネを目的とした設備投資に利用できる補助金があるのですが、申請の際にはCO2排出量データの提出が欠かせません。しかし、申請期間が1ヶ月と短く、昨年はデータを締切日までに揃えることができず、断念してしまいました。しかし今年は、排出量のデータは「e-dash」からダウンロードすることで効率的に準備ができ、無事申請にこぎつけることができました。

    環境評価のスコアが大幅に改善

    ━━CO2排出量の削減に向けては、どんな取り組みをしていますか。

    小野:排出量に占める割合が大きい電気に関する取り組みを優先的に進めています。

    まず、電気の契約を非化石証書付きのものに切り替え、実質再エネ化しました。ただ、自社で再エネ電気を作るのが最も理想的なあり方だと思うので、中長期的には太陽光発電設備の導入などを検討しています。

    また、前述の補助金を活用して、老朽化した変電設備(キュービクル)の入れ替えとEMS(※2)の導入を予定しています。前者だけでも7、8%の電気を節約できる見込みです。

    ※2:Energy Management Systemの頭文字を取ったもの。エネルギーの使用状況を見える化し、省エネ対策を維持・推進していく管理システム

    ━━社員の通勤に伴うCO2排出量についても、削減の取り組みを検討しているそうですね。

    小野:当社の従業員のほとんどが自動車で通勤しています。そのため、職場にEVの充電器を設置することで、従業員の通勤用自動車のEV化を後押ししたいと考えています。将来的に、自分たちで発電した電気を使えるようになれば、Scope 3の「従業員の通勤」に伴うCO2排出量を大幅に減らせます。

    また、今後EV化がどんどん進んでいけば、「職場で充電し放題」をメリットに感じて、優先的にうちを選んでくれる従業員も増えるかもしれません。

    まずは社長自ら率先して取り組むのが良いと考え、自宅と会社に充電器を設置し、自身の通勤車をEVに乗り換えることにしました。

    ━━脱炭素に取り組み始めたことで、EcoVadisのスコアに変化はありましたか。

    初回と比べて、総合得点が10ポイント近く増え、足を引っ張っていた「環境」のスコアは20ポイント上がりました。「環境方針」を策定したことや、自社のCO2排出量や排出削減への取り組みによって回答できる項目が増えたのが要因です。

    まだ回答ができない項目として、たとえば「国際イニシアチブへの支持」などがあります。将来的には回答できるよう、地道に準備をしていきたいと考えています。

    従業員から沸いた拍手

    インタビューに応える小野様

    ━━脱炭素への取り組みについて、従業員の方の反応はいかがですか。

    サステナビリティに関する方針や取り組みについては、担当のマネージャーレベルには説明していましたが、一般の従業員に向けて話をしたことはありませんでした。しかし、「社長の口から話した方がいい」という声が上がり、今年は全事業所で年に4回、私自身が説明する場を設けることにしました。

    今年4月に初回を実施したのですが、一部の事業所で従業員から拍手が起きたんですね。普段はあまりないことなので、とても嬉しかったです。

    ━━脱炭素化に向けて、今後の展望を教えてください。

    得意先からの要請をきっかけにサステナビリティや脱炭素に向き合う中で、サステナビリティと当社の経営方針の繋がりを強く意識するようになりました。当社の経営方針は「バリューチェーンを高め、 ステークホルダーとともに成長する」で、ここでの主なステークホルダーは得意先企業、協力会社そして従業員を指します。

    得意先企業や協力会社のサステナビリティ推進に協力することは、彼らだけではなく、当社の成長にも繋がります。また、気候変動や生物多様性の喪失による災害リスクの増加や食料不足などは、従業員の健康や日常生活をも脅かします。つまりサステナビリティへの取り組みは従業員を守ることでもあるのです。

    中小企業ができることは限られていますが、今後もステークホルダーと共に成長しながら、取り組みを一生懸命に前に進めていきたいと思います。

    株式会社小野包装
    所在地:〒120-0005  東京都足立区綾瀬2-31-7
    事業内容:営業倉庫業、発送代行業、梱包業など
    URL:https://www.papiacargo.co.jp/

    企業情報

    会社名

    株式会社小野包装

    所在地

    〒120-0005  東京都足立区綾瀬2-31-7

    業界

    • 倉庫・物流

    事業内容

    営業倉庫業、発送代行業、梱包業など

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    成長は、削減しない。

    あらゆる企業が、自社に適した道筋で
    事業の成長と脱炭素化を両方実現できるように。

    e-dashなら、CO₂排出量の 可視化も削減も専門家が伴走しながら 1つのプラットフォームで実現。

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